日本再生医療学会

新法関連情報

ヒト幹細胞等加工再生医療製品の品質及び安全性等評価に共通の基本となる技術要件・基準・留意事項」(ミニマム・コンセンサス・パッケージ:MCP)

日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療実用化基盤整備促進事業における委託研究課題「再生医療等臨床研究を支援する再生医療ナショナルコンソーシアムの実現」(研究代表者:日本再生医療学会 岡田潔)の分担課題「再生医療臨床研究等に対する技術的支援:細胞加工物に係る品質・有効性・安全性評価基準の作成と関連技術支援」(分担担当者:日本再生医療学会 佐藤陽治)で作成された「ヒト幹細胞等加工再生医療製品の品質及び安全性等評価に共通の基本となる技術要件・基準・留意事項」(以下、本文書)が、先ごろ日本再生医療学会誌上で公表されました(早川etal.,「再生医療」2020;19(4):409-448)。医薬品医療機器等法(薬機法)下でのヒト細胞加工製品の研究開発や承認審査にあたっては、その品質及び安全性を的確かつ合理的に確保するために、各製品の種類や特性、臨床適用法などをふまえた製品のリスクに基づく適切な試験の実施やデータの評価がなされるべきであり、過剰な試験やデータが求められるべきではありません。
しかし、現行の指針等で示されている網羅的事項の中から、個別製品の品質及び安全性等を確保するために必要かつ十分な項目の選択及びデータの評価を開発者自身で判断することは容易ではなく、開発の隘路となっています。

本文書は、想定される大多数のヒト細胞加工製品の品質・安全性等の評価に共通の基本となる技術要件や基準(ミニマム・コンセンサス・パッケージ:MCP)を提言するものです。関係者の皆さま方に現行の指針等と合わせてご参照いただき、より合理的・効率的・効果的な製品開発及び再生医療実用化を促進することを目的として作成されました。
なお本文書に示された考え方は、再生医療等安全性確保法下におけるヒト由来の特定細胞加工物の臨床研究においても参照されるべきものと考えられます。

本文書について

本文書は、平成26年度厚生労働科学研究「再生医療実用化加速のための幹細胞等由来製品評価に最低限必須・共通の技術要件・基準に関する研究」(代表:近畿大学 早川堯夫)の成果を参考とし、ヒト幹細胞加工製品の品質及び安全性確保に関する5指針(平成24年9月7日付け薬食発第0907第2-6号厚生労働省医薬食品局通知)の草稿執筆メンバーを中心とした大学・研究機関の方々に協力研究者としてご貢献いただきながらまとめられたものです。

※本文書は、AMED再生医療実用化研究事業の令和2年度研究成果として作成されたものです。

特定細胞加工物製造に関する文書の雛形

2014年11月25日に再生医療等の安全性の確保等に関する法律が施行され、再生医療等の提供において、法律によって定められた特定細胞加工物に関する文書が必要となりました。この状況を踏まえ、日本再生医療学会では、再生医療等の適切な提供の推進のため、以下の特定細胞加工物に関する文書の雛形について考案いたしましたので、公表させていただきます。なお、本雛形は、あくまで草案的な位置付けのものであり、今後適宜修正、見直しをしていく予定としております。

雛形文書一覧

概要書、標準書

  • 特定細胞加工物概要書
  • 特定細胞加工物標準書(実施医療機関内細胞加工施設もしくは細胞加工の全てを委託する場合)
  • 特定細胞加工物標準書(細胞培養加工施設に工程の一部を委託する場合)

管理基準書

  • 製造管理基準書
  • 品質管理基準書
  • 衛生管理基準書

手順書

  1. 細胞培養加工施設からの特定細胞加工物の提供の管理と取扱いの決定に関する手順書
  2. 検証又は確認に関する手順書
  3. 品質の照査に関する手順書
  4. 変更の管理に関する手順書
  5. 逸脱の管理に関する手順書
  6. 品質等に関する情報及び品質不良等の処理に関する手順書
  7. 重大事態報告等に関する手順書
  8. 自己点検に関する手順書
  9. 教育訓練に関する手順書
  10. 文書及び記録の管理に関する手順書

再生医療等安全性確保法における細胞培養加工施設での無菌操作に関する考え方

本会では、2013年9月に「細胞調製に関する施設および運用に対する考え方」を提案させていただき、間もなく5年になります。この間、2014年11月には「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(いわゆる“再生医療新法”) 」が施行され、より安全な再生医療の実施が求められております。また、本会では、細胞培養加工を実施する操作者「臨床培養士」の認定制度を2014年から開始し、講習会の実施や教育ビデオコンテンツを充実させ、人材育成ならびに再生医療を支える人の拡充を行ってきました。

そこで今回は、さらなるコンテンツの充実を目指し、再生医療法のもと、大学等の細胞培養加工施設で、特定細胞加工物を製造する際に不可欠な無菌操作の基本的な考え方を示すこととしました。この「細胞培養加工施設における無菌操作に関する考え方」は、無菌操作を実施するための原則が書かれた本文と個別運用、操作補足、機器使用法が詳細に書かれた別添から成ります。是非ご一読いただき、操作者や施設管理者の方々の一助となればと願っております。さらに、今後も随時、種々の技術・操作等多岐にわたって、追加・修正を行っていく予定です。ご希望やご意見も賜れればと思います。

改訂履歴:
第1版 2018年3月31日公開
第2版 2020年3月23日公開
第3版 2021年3月23日公開

自己多血小板血漿(PRP)療法における再生医療等提供計画の雛形

申請様式等の雛形の公開 (整形外科領域)

【はじめに】
厚生労働省の報告によると、2020年1月末までの再生医療等安全性確保法の施行件数は3,800件を超え、その8割近くは第三種再生医療等に分類される歯科および整形外科関連の治療となっております。
日本再生医療学会では、日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療臨床研究促進基盤整備事業(ナショナルコンソーシアム事業)」の一環として、2019年4月の省令改正に伴い、独自に作成した整形外科領域の自己多血小板血漿(PRP)療法における再生医療等提供計画(様式第一の二)ならびにその添付書類の一部について、ひな形を公開する運びとなりました。
これを基に、その他の第三種再生医療等の治療にも応用し、ご利用ください。
今後、再生医療等を提供される先生方にご活用いただければ幸甚です。

整形外科PRP療法における再生医療等提供計画ひな形作成ワーキンググループ
梅澤 明弘(国立成育医療研究センター)
岡田 潔(大阪大学)
紀ノ岡 正博(大阪大学)
佐藤 和毅(慶應義塾大学)
星 和人(東京大学)
水谷 学(大阪大学)
森尾 友宏(東京医科歯科大学)
吉村 圭司(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)
若月 元(ジンマーバイオメット)

ひな形の利用についての注意点

  1. 当ひな形は、靱帯・腱付着部炎治療の際に自己多血小板血漿(PRP)を用いることを想定して作成しておりますが、記載内容(青字)はあくまでも例示ですので、各治療および施設において、法令等や医療の内容をふまえて検討し、適切な情報をご記載ください。
    また、参考文献は各治療の科学的根拠を提供するものなので、論文の内容を理解すると共に適切な参考文献を引用してください。
  2. イタリック文字(斜体・緑字)は記載の手引きを示しているため、これらは最終的に削除してください。
  3. 自己多血小板血漿(PRP)を用いた治療は、比較的安全性の高い治療とされておりますが、その安全性および有効性につきましては当会が担保するものではありません。当会は将来的な治療の確立を支援する立場から、現状で考え得る例示を提案したものであることについて、ご留意ください。

再生医療等提供計画関連(整形外科PRP療法)ひな形(2020年3月10日)

申請様式等のひな形のダウンロードをご希望の方は、下記よりダウンロード申請フォームにお進みください。

申請様式等の雛形の公開 (歯科領域)

【はじめに】
厚生労働省の報告によると、2014年11月から2017年3月末までの再生医療の実施機関からの定期報告は2,141件で、その約半数は第三種再生医療等に分類される歯周病やインプラントなど歯科関連の治療となっております。
この背景を踏まえ、日本再生医療学会では、日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療臨床研究促進基盤整備事業(ナショナルコンソーシアム事業)」の一環として、独自に作成した歯科領域の自己多血小板血漿(PRP)療法における再生医療等提供計画(様式第一)ならびにその添付書類の一部について、ひな形を公開する運びとなりました。
これを基に、その他の第三種再生医療等の治療にも応用し、ご利用ください。
今後、再生医療等を提供される先生方にご活用いただければ幸甚です。

歯科PRP療法における再生医療等提供計画ひな形作成ワーキンググループ
梅澤 明弘(国立成育医療研究センター)
大島 勇人 (新潟大学)
岡田 潔(大阪大学)
片野 尚子(東京医科歯科大学)
紀ノ岡 正博(大阪大学)
鮫島 正(テルモ)
飛田 護邦(順天堂大学)
星 和人(東京大学)
水谷 学(大阪大学)
森尾 友宏(東京医科歯科大学)
吉村 圭司(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)

ひな形の利用についての注意点

  1. 当ひな形は、歯科インプラント治療の際に自己多血小板血漿(PRP)を用いることを想定して作成しておりますが、記載内容(青字)はあくまでも例示ですので、各治療および施設において、法令等や医療の内容をふまえて検討し、適切な情報をご記載ください。
    また、参考文献は各治療の科学的根拠を提供するものなので、論文の内容を理解すると共に適切な参考文献を引用してください。
  2. イタリック文字(斜体・緑字)は記載の手引きを示しているため、これらは最終的に削除してください。
  3. 自己多血小板血漿(PRP)を用いた治療は、比較的安全性の高い治療とされておりますが、その安全性および有効性につきましては当会が担保するものではありません。当会は将来的な治療の確立を支援する立場から、現状で考え得る例示を提案したものであることについて、ご留意ください。

再生医療等提供計画関連(歯科PRP療法)ひな形(旧様式・2018年5月1日更新)

申請様式等のひな形のダウンロードをご希望の方は、下記よりダウンロード申請フォームにお進みください。