日本再生医療学会

ニュース

2014.3.4

  • 声明・ガイドライン等

新法のもとでの再生医療推進に向けて

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

昨年は、4月に「再生医療推進法」、11月に「改正薬事法(医薬品医療機器等法)」「再生医療安全性確保法」が可決・成立し、再生医療にとっては新たな一歩を踏み出した年でありました。これらの法は、今後我が国の再生医療を大きく前進させ、一般的な治療への迅速な普及を実現可能なものとすることを確信し、法案成立に尽力頂いた関係各署に対し、ここに謝意を表します。

日本再生医療学会は、法を法に終わらせないために、我々再生医療を実践する者に課せられた責務を今一度厳粛に受け止め、ここに決意を新たにするものであります。

再生医療関連法案が、今後その効力を最大限に発揮し、正しく実践されることによって日本の再生医療に大きく貢献するために、日本再生医療学会はその使命として、次の点においてさらに活動を強化します。

  1. 再生医療に携わる者の教育訓練を徹底させ、再生医療が、法のもとに安全で適正に行われることに貢献する。
  2. 国内外における再生医療の安全性、有効性に関する科学的・医学的情報を集積し、再生医療のたゆまぬ進歩に資する。
  3. 再生医療の倫理性、安全性、有効性、現状について広く情報を発信し、国民の正しい理解を得るための努力を怠らない。
  4. より多くの患者が再生医療の恩恵に浴するため、「研究」から「産業」への途切れ無き移行を推進し、細胞加工機関の安全性基準策定や加工受託制度の構築において情報提供など積極的支援を行う。
  5. 再生医療を受ける者の権利と利益を守り、それらの者が再生医療により最大の恩恵を受けることができるよう体制を強化する。
  6. 我が国の再生医療の質を向上させ、さらに世界に貢献するよう他の学会や施設、行政、産業界に働きかけ、協力連携体制を強化する。
  7. 推進法の精神に賛同し、我が国の再生医療研究に貢献しうる新たな医師・産学研究者の育成と相互結集を図り、世界に先駆けた革新的な再生医療研究の活性化と、より効果的な治療創出に、学会が努力する。

日本再生医療学会では、すでに教育システムの構築、加工施設とその運用要件に関するガイドラインの策定、補償保険制度の整備、市民公開講座の実施、情報システムの構築など再生医療関連法案の実現にむけてその活動を始動しています。今後も新法の運用下において関係省庁や産業界との協力と連携を進め、一日も早く安全で有効な再生医療を難病に苦しむ患者さんに届けるという共通の目的を再確認し、再生医療の発展に資する努力を惜しまぬ決意をここに表明します。

以上

 

2014年3月4日
日本再生医療学会
理事長 岡野光夫
副理事長 澤 芳樹
および理事一同