日本再生医療学会

ニュース

2013.12.11

  • 声明・ガイドライン等

再生医療関連2法成立への声明

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

国会において継続審議となっていた改正薬事法(医薬品医療機器法)と再生医療安全性確保法(再生医療新法)が、11月20日参院本会議で可決、成立しました。再生医療学会は、今年4月に成立した議員立法「再生医療推進法」とあわせて、これら3法が、今後我が国の再生医療を大きく前進させ、一般的な治療への迅速な普及を実現させるものであると確信し、法案成立に尽力頂いた関係各署に対し、ここに謝意を表します。

日本再生医療学会は、2009年以来、政府当局に対し、再生医療製品の医薬品・医療機器とは異なる特性を踏まえた適切な規制のあり方として

  1. 再生医療製品の臨床試験における有効性評価方法の再検討
  2. 上市後の臨床評価を重視する方向での早期承認
  3. 製品に利用される細胞の多様性への配慮

の要望を掲げてきました。

今年成立をみた再生医療関連3法は、まさに我々のこの要求を具現化したものであり、これらの法案によって再生医療の発展を阻んでいた障壁が一つ一つ取り除かれることを期待します。

再生医療関連3法が今後その効力を最大限に発揮し正しく遵守されることによって日本の再生医療に大きく貢献するために、日本再生医療学会は努力と協力を惜しまず、日本再生医療学会の使命である次の点においてさらに活動を強化したいと考えます。

  1. 再生医療が、法のもとに安全で正しく行われるために、再生医療に携わる者の教育訓練を徹底させる。
  2. 国内外における再生医療の安全性、有効性に関する科学的・医学的情報を集積し、再生医療のたゆまぬ進歩に資する。
  3. 再生医療の倫理性、安全性、有効性、現状について広く情報を発信し、国民の正しい理解を得るための努力を怠らない。
  4. より多くの患者が再生医療の恩恵に浴するため、「研究」から「産業」への途切れなき移行を推進し、細胞加工機関の安全性基準策定や加工受託制度の構築において情報提供など積極的支援を行う。
  5. 再生医療を受ける者の権利と利益を守り、それらの者が再生医療により最大の恩恵を受けることができるよう体制を整備する。
  6. 我が国の再生医療の質を向上させ、さらに世界に貢献するよう他の学会や施設、行政、産業界に働きかけ、協力連携体制を強化する。

日本再生医療学会は、今後の新法の運用下において関係省庁や産業界との協力と連携をすすめ、一日も早く安全かつ有効な再生医療を患者さんに届けるという共通の目的を再確認し、再生医療に関する高度な知識や技能、経験を有する医師や培養技術者の育成、ならびに細胞培養施設の整備努力により、人材と施設の両面での一層の向上を図ることで再生医療の発展に資することをここに改めて宣言します。

以上

 

2013年12月11日
日本再生医療学会
理事長 岡野光夫
副理事長 澤 芳樹
および理事一同