日本再生医療学会

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2012.6.13

  • 声明・ガイドライン等

YOKOHAMA宣言

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日本再生医療学会は、「革新的医療として再生医療を国民に安全に有効に迅速に届ける」ことを理念に「再生医療の進歩、発展及び育成を図ると共に人類の健康増進と福祉の向上に寄与すること」を目的として設立された。再生医療技術はあらゆる領域の基礎から臨床まで多様なバックグラウンドを持つアカデミア研究者・企業開発者によって研究開発がなされ、ついに臨床応用される段階に入ったが、それに伴って多くの障壁の存在も認識されるに至っている。我々は、これからもその設立理念に基づき、再生医療研究ならびにその応用としての治療方法の開発を強力に促進する。同時に、臨床開発における隘路、とくに薬事規制等における開発側からみた課題を検討し、その積極的解決方法を模索し、実行していくことをここに宣言する。

再生医療研究者・開発者から規制当局への要望

再生医療製品は、従来医薬品・医療機器等とは異なる特性を持つことから、今後も科学的妥当性を踏まえた適切な規制のありかたを求めていく。

  1. 再生医療製品の臨床試験における有効性評価方法の再検討(条件によってはランダム化比較試験にとらわれないデザイン設定の許容)
  2. 上市後の臨床評価を重視する方向での早期承認(承認審査段階で安全性が担保されれば「条件付き承認」もありとする)
  3. 製品に利用される細胞の多様性への配慮(出荷規格の設定は必然性の高い項目に絞り、意義に乏しい網羅的一律的な項目設定を避け、性能上許容できる比較的広い規格を認め、過度の規格値の設定は求めない)

日本再生医療学会としての取組

本会では、2011年学会声明に基づき、すでに以下の事項について取り組みを行った。

  1. 審査側と学会の情報交換会の開催(審査側への最新知識の提供)
  2. 審査への協力を目的とした専門分野ごとのプール委員確保のための調査を実施

今後、再生医療の実現のため、以下の具体的事項に取り組む。

  1. 再生医療製品承認審査のためのガイドライン作成・提言
  2. 再生医療製品の対象疾患に関するデータベース構築
  3. 臨床研究・治験用試験物製造・調製にふさわしい細胞調製施設ならびに細胞調製認定技者の認定制度と、技術者教育システムの構築

 

以上

 

2012年6月13日
日本再生医療学会
理事長 岡野光夫