日本再生医療学会

ニュース

2009.3.5

  • 声明・ガイドライン等

再生医療実現に向けた規制緩和に関する声明

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再生医療に関連する研究を促進し、その成果を遅滞なく国民に還元するためには新しいサイエンス、新しい医療に対応するべく、関連ガイドラインや法律を整備することが望まれます。昨年、本学会ではヒトES細胞研究の規制緩和を要望し、担当官庁も規制緩和に向けて動き始めております。しかし、再生医療の早期実現に向けて、改革すべき規制は数多くあります。2008年10月24日の甘利規制改革担当大臣が提言されたライフサイエンス分野の規制改革および12月22日の第3次答申につきましては、大変革新的で国民に良いものをより早く安全に届ける規制改革案であると思われます。再生医療学会は、この提言および答申について、下記の各内容を全面的に支持するとともに、その実行を期待し、その支援について具体的に検討していく所存です。

2009年3月5日
日本再生医療学会
理事長 中内啓光

  1. 医療機器の臨床研究用承認制度の創設
    現状の薬事法制下では、医療機器メーカーが薬事法上未承認の医療機器を臨床研究に提供する場合には薬事法違反とされるおそれ。法律上明確化された医療機器の臨床研究用承認制度の創設が必要。(日本版「IDE制度」)
  2. 医工連携(医者とエンジニアの役割分担)を可能とする規制改革
    現状の医療法等では、自家移植再生医療に係る細胞培養・加工も治療を現に担当する医者自らによる実施を想定。産業界、ベンチャー企業等が有する技術を生かす上からも、安全性等に関する審査を経た上で外部機関への委託を可能とする制度改革が必要。
  3. 高度医療評価制度の積極的運用(臨床段階での保険診療の併用)
    本年4月、高度医療評価制度が導入されたが、同制度による保険併用が認められたのは、10月時点で1件。同制度を積極的に運用することで、適用対象医療技術の拡大を図ることが必要。
  4. 医薬品医療機器総合機構等の機能・体制強化
    医薬品の審査員の増強は緒に就いたものの、医療機器、再生医療分野に関しては、審査員は質、量ともに圧倒的に不足。検査体制の拡充につき、早急に検討が必要。
  5. スーパー特区(先端医療開発特区)提案で要望された規制改革提案への対応
    スーパー特区提案には143件の応募。これらの中には、再生医療、医療機器、バイオ医薬品等に係る規制改革要望があり、迅速・的確な対応が必要。

以上