日本再生医療学会

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2017.10.17

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サイエンス・カフェ「アートとビオス」

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【企画内容】2006年に山中伸弥教授らがiPS細胞の樹立を報告して、ちょうど10年となりました。それ以来、未来の医療として「再生医療」や「幹細胞」という言葉が、日夜新聞やニュースを賑わわせるようになりました。こうした研究はまた、病気の治療の研究だけではなく、生命のしくみを解き明かす生物学の研究でもあり、その成果はわたしたちが「あたりまえ」のと思っている「生命のすがた」を揺るがしてもいるのです。しかし、その期待を利用し、一部の医療者が「再生医療」と称して科学的根拠に乏しい行為が行われるなどの問題も現れつつあり、再生医療をとりまく環境はさまざまに変化してきます。

また、バイオテクノロジーを手軽に扱えるものにしよう、という「DIYバイオ」という動きも注目されています。身の回りにある食べ物などから細胞を取り出して培養したり、ゲノムを抽出して遺伝子配列を読んだりといった、かつて高額の費用がかかった行為が手軽に行えるようになり、そうした技術を用いた「バイオアート」と呼ばれる活動によって、様々な「生命のすがた」が描かれはじめています。

本企画では、現在金沢21世紀美術館で開催中の企画展「死なない命」と連動し、幹細胞とは何か、再生医療とは何か、といった話をテーマに、さまざまな技術が「生」へと介入することが可能となった現在について考えます。

 

【主催】日本再生医療学会

【協力】金沢21世紀美術館

【開催日・時間】2017年10月21日(土)18:00-20:00時(17:45開場)

【場所】石川県・金沢21世紀美術館 FUSION21

https://www.kanazawa21.jp/

※入場に際してドリンク代として500円をお支払いください。

【お問合せ先】comm@www.jsrm.jp

【登壇者】

福原志保(アーティスト・バイオデザイナー)

ゆうきまさみ(漫画家)

八代嘉美(幹細胞生物学、科学技術社会論研究者)

 

【登壇者プロフィール】

福原志保(アーティスト・バイオデザイナー)

2001年、セントラル・セント・マーチンズのファインアート学士過程、2003年ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのデザイン・インタラクションズ修士課程を修了。フランス外務省給費生としてパリに滞在し、パレ・ド・トーキョーの「Le Pavillon」に参加。ゲオアグ・トレメルとともに英国科学技術芸術基金のパイオニア・アワードを受賞し、亡くなった人の遺伝子を樹木に埋め込む新たな墓標を提供するバイオプレゼンス社をロンドンで設立。2007年より活動拠点を日本に移し、バイオテクノロジーの発展など、自然と社会、文化と人々の意識の関係を探索するアーティスティック・リサーチ・フレームワークBCLを結成。2015年、金沢21世紀美術館での展示『Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊』では、架空のキャラクターである「初音ミク」のゲノム情報を創作してiPS細胞に組み込み、そこから分化させた心筋を展示することで話題を呼んだ。現在、金沢21世紀美術館展覧会「死なない命」に作品を出展。

 

ゆうきまさみ(漫画家)

1957年北海道生まれ、B型。

1980年「月刊OUT」掲載の『ざ・ライバル』でデビュー。

その後、「少年サンデー」を中心に活躍。

『機動警察パトレイバー』にて第36回小学館漫画賞を受賞。

代表作に『究極超人あ~る』『じゃじゃ馬グルーミンUP』『鉄腕バーディー』『白暮のクロニクル』など。

現在「月刊!スピリッツ」で兄妹の凸凹漫画道コメディー『でぃす×こみ』を連載中。

 

八代嘉美(日本再生医療学会幹事、京都大学iPS細胞研究所特定准教授)

京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門特定准教授。日本再生医療学会幹事。専門は幹細胞生物学、科学技術社会論。再生医療研究の知見に基づく科学政策分析やサブカルチャーの表象分析などを組み合わせ、再生医療の社会受容についての研究を行う。また、メディアを通じた情報発信を積極的に行い、医科学研究の現場と社会がともに創る再生医療の時代を目指して活動している。著書に『iPS細胞 世紀の発見が医療を変える』(平凡社新書)ほか、訳書は『幹細胞-ES細胞・iPS細胞・再生医療-』(岩波書店)。