日本再生医療学会

ニュース

2023.3.23

  • 声明・ガイドライン等

日本再生医療学会声明(2023)

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

日本再生医療学会は 2001 年に設立され、「あらゆる知を結集し、再生医療の革新と普遍化により、全人類の幸福と未来に貢献する」ことをミッションとして、オールジャパン体制で取り組むことで大きな発展を遂げてきた。特に、2014 年に再生医療等安全性確保法が施行されて以降、体性幹細胞のみならずiPS 細胞を用いた再生医療に関して、本会としてもその実現に向け取り組み、その成果は臨床の現場に届けられてきた。現在、再生医療等安全性確保法の改正を控え、更なる展開が期待されているが、我が国が誇る再生医療を標準的治療として発展させていくための重要な時期にさしかかっているといえる。
また、我が国のみならず、最先端の再生医療・幹細胞研究をリードする立場として、本会はアジアにおける拠点となり、さらに世界の再生医療の発展に貢献していく所存である。そのために日本再生医療学会は以下の 7 つの目標を掲げ、歩みを進めていきたい。

1) 幹細胞生物学をはじめとする基礎研究を重視しながら、若手の積極的な人材育成を行う。
2) エビデンスに基づく再生医療を発展させるべく、基礎研究をはじめとする幅広い科学領域を包括的に理解し、臨床応用や産業化に展開する次世代の人材育成に貢献する。
3) 幹細胞生物学、細胞・遺伝子治療、細胞外小胞、細胞工学、オルガノイド医学、組織工学、ロボティクス、AI、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)など、各領域の知を結集し、基礎・応用研究および臨床において世界の最高峰を目指すと共に、未来の再生医療を構築する。
4) 次世代型 iPS 細胞や機能遺伝子導入細胞をはじめとする新しい遺伝子改変細胞治療および iPS細胞を用いた免疫療法の開発・発展において世界の先導的役割を果たす。
5) 再生医療が標準的治療として健全に発展していくことを見据え、データベース事業を推進すると共に、関連する法案等の改正に積極的に関わり、先駆的・指導的な役割を果たす。
6) アジアの再生医療・幹細胞研究におけるハブとしての役割を果たし、世界の再生医療・幹細胞研究の発展に貢献する。
7) 各国の関連団体と連携し、諸外国に対して技術導入、規制整備、教育などにおいて、積極的な支援を行う。

以上


2023 年 3 月 22日
日本再生医療学会
理事長 岡野栄之
副理事長 西田幸二
副理事長 森尾友宏
および理事一同