2022.4.14
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第22回日本再生医療学会総会
総会ウェブサイト:https://site.convention.co.jp/jsrm2023/
第22回日本再生医療学会総会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
第22回総会のテーマは「みんなでつくる、未来」としました。1990年代に様々な体性幹細胞の分離培養が可能となり、さらに1998年にはヒトES細胞、2007年にはヒトiPS細胞の樹立が報告されました。その後多くの方々の努力により、これら体性幹細胞、多能性幹細胞を用いた細胞療法の臨床試験が世界中で行われています。つまり、再生医療は大きな一歩を踏み出しました。これからは臨床データに基づいたリバーストランスレーション、遺伝子治療など他のモダリティとの融合、組織や臓器の移植などに取り組む必要があります。また、倫理的社会的課題がより具体的になり社会におけるコンセンサスが必要になってきます。再生医療を社会に根付かせるための法や規制の整備とそれを担う人材育成が必要です。本総会ではこれらの課題について議論し、再生医療の未来を展望します。
また、再生医療の発展には企業との連携が欠かせません。基礎研究の成果を安全かつ有効に患者さんに届けるには再生医療等製品製造や評価のための試薬や装置、さらには流通などを含めたシステムを構築する必要があります。これらを担うのは企業の力です。本総会では機器展示を含め再生医療の「未来をつくる」パートナーとして、企業の方々にも様々な形でご協力いただいています。
再生医療の目指すところは患者さんの幸福です。現時点で出来ること、出来ないこと、これからの医療に期待できること等について正確に伝え、共に未来を考えることが必要です。そこで本総会では患者さんを含めた一般の方々も学会に参加できる機会を設けました。このことが双方にとって病気について知り学び考えるきっかけになることを望みます。
最後に、本総会開催にあたり、学会事務局や理事、プログラム委員の先生方をはじめ、多くの皆様に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。将来、本総会が何かの最初の第一歩だったと振り返ることができるような会になることを願います。どうか奮ってご参会いただきますようお願い申し上げます。
敬具
2022年3月吉日
第22回 日本再生医療学会総会
会長 髙橋 淳
京都大学 iPS細胞研究所 所長・教授