日本再生医療学会

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2022.3.24

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YOKOHAMA宣言2022

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2001年に設立された日本再生医療学会は、黎明期の再生医療研究を牽引し、発展を遂げてきた。学会の歩みと並行して、2006年には高橋、山中によるiPS細胞樹立に関する論文が発表され、2012年には山中博士のノーベル生理学医学賞受賞に至った。日本再生医療学会はまた、2014年の、他国に先駆けた先進的な再生医療等関連法案の発出にも大きく貢献した。20周年の節目を越えた本会は、日本が再生医療の国際的ハブとなり、リーダーシップを発揮するために、中核的な役割を果たすべく決意を新たにしている。
そのために日本再生医療学会は以下の7つの目標を掲げ、更なる発展を遂げる所存である。

1) 基礎研究、応用研究、組織工学、臨床研究、治験、規制科学など、それぞれの領域において世界の最高峰を目指す。
2) 各国の関連団体と連携し世界に先駆けた成果をあげると共に、諸外国に対して医療技術導入、規制整備、教育などにおいて、積極的な支援を行う。
3) 再生医療を細胞治療、遺伝子治療、組織工学を包括する領域と捉え、遺伝子治療、細胞外小胞、細胞工学、ロボティクス、AIなどの領域の専門集団と連携しながら、未来医療を構築する。
4) 幹細胞生物学をはじめとする基礎研究を大切にし、また基礎研究に携わる若手人材の育成に努める。
5) 基礎研究を活かし、臨床や産業の場に展開する次世代の再生医療人の育成に貢献する。
6) 患者中心の再生医療を常に念頭におきつつ、先端医療の諸問題に対応するため、規制科学や、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)を重視し、エビデンスに基づく責任ある研究・イノベーションを推進する。
7) 先端的な研究及び医療を展開するための「先進性、独自性、瞬発力」と、長期的戦略を立て、慎重かつ丁寧な議論を積み重ねる「持続力、持久力」の両面を具有する学会として、社会に貢献する。


日本再生医療学会は、幅広い領域の知恵と技術を集結し、あらゆる疾患を科学の力で解決し、最終的に人類の健康と幸福を実現することをミッションとして前進することをここに宣言する。


以上

2022年3月17日
日本再生医療学会
理事長 岡野栄之
副理事長 西田幸二
副理事長 森尾友宏
および理事一同