日本再生医療学会

人材育成

 人材育成モジュールを担当しております大阪大学大学院工学研究科の紀ノ岡正博でございます。再生医療は「生きた」細胞を扱う点において、従来の医薬品製造とは異なった難しさがあり、再生医療の普及には、高品質の細胞を安定的に供給することが可能な産業化および携わる人材の育成が不可欠であります。しかしながら、未だ社会における再生医療の産業化を見据えた技術の開発やルールの整備、人材の育成は十分とは言えません。再生医療の産業化を推し進めていくためには「モノづくり」「ルールづくり」「ヒトづくり」といった3つの柱を束ねた産・官・学三位一体の「コトづくり」がカギとなると考えております。中でも「ヒトづくり」は、細胞製造全般を理解したセンスの良い人材育成(モノづくりとルールづくりを理解できる人材の育成)を行うものであり、再生医療の産業化にとって特に重要なものであります。再生医療に携わる人には、再生医療を「創る人(医療研究者)」「行う人(医療従事者)」「支える人(医療支援者)」などの様々な人材が存在し、それぞれの人材に対応した教育プログラムや教育コンテンツが必要になると考えております。

これまで、ナショナルコンソーシアムにおける人材育成モジュールでは、日本再生医療学会の臨床培養士制度委員会と伴に、再生医療に携わる全ての関係者をターゲットとした教科書「テキストブック再生医療~創る、行う、支える~ 第1版」を作成し、それに付随したE-learningシステム・コンテンツ内容の作成なども行って参りました。令和3年度からは、新たに細胞培養加工施設管理士(細胞培養加工施設を設計・運用できる能力を有する者)などを対象に、教育プログラムの構築を行い、より高度なヒトづくりの一助となる取り組みを行って参ります。

研究開発分担者

日本再生医療学会 理事
大阪大学大学院工学研究科生物工学専攻 教授
紀ノ岡正博

人材育成モジュール紹介動画