提言・声明等

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OSAKA宣言2016

―再生医療の普遍化を目指して―

再生医療は、これまでに治療法のない難治性疾患に苦しむ患者さんに明るい希望をもたらしています。日本再生医療学会は、たゆまぬ研究活動の中で再生医療の大きな可能性を示してきました。同時に、その可能性を広く実現するために、関係各省庁、産業界への働きかけを通して、ともに再生医療の迅速で安全な発展を支える基盤構築をしてきました。学会のこれらの活動が今の、そしてこれからの日本の再生医療にとって、確かな礎となることを確信しております。

もはや再生医療を新しい革新的な治療法としてその可能性を模索する時代は過ぎ、より多くの患者さんが等しくその恩恵を享受することのできる「普遍的な治療」としての地位を築く時代に突入しなければなりません。

日本は、再生医療における理想を掲げ、世界に先駆けて新しく再生医療関連の法を構築しました。中でも、薬事法改正により再生医療審査のあり方を制定したいわゆる「医薬品医療機器等法」はもとより、再生医療における「臨床研究」の意義を再確認し、「臨床研究」が正しく行われることを保証するために制定されたいわゆる「再生医療等安全性確保法」も再生医療法整備のうえで大変重要であると認識しています。日本再生医療学会は、「治験」とともに「臨床研究」でのエビデンスを生かし、再生医療を安全・有効かつ迅速に普遍的医療につなげることができるようなシステム作りを提唱していきたいと考えています。

日本再生医療学会は、医学的・科学的根拠に基づき、実践の中で蓄積される安全性と有効性に関するエビデンスに真摯に向き合い、誰もが安心して享受できる再生医療を確立すること、さらに、それを広く日本の国民と世界に発信していくことが学会の使命であると考えています。そして、この使命を会員の共通の目標として確認し、遂行することをここに宣言します。

日本再生医療学会は、「普遍的治療」としての再生医療を目指します。

 

日本再生医療学会活動目標

  1. 法の遵守
    再生医療に携わる者の教育訓練を徹底させ、再生医療が、法の下に安全で適正に行われることをめざす。
  2. 情報の集積と発信
    国内外における再生医療の安全性、有効性並びに新しい再生医療の技術開発に関する科学的・医学的情報を集積するとともに、国内外へ発信し、「知の結集」と「知の拡大」を形作る。
  3. 規制科学の確立
    科学的合理性・妥当性に基づいた規制科学を確立し、再生医療の安全性および有効性に関するエビデンスの蓄積とその透明化を行うとともに、安全性・有効性に対する医学的・科学的根拠が不十分な細胞治療行為に対しては積極的に教育・啓発を行う。
  4. 人材育成
    再生医療のあるべき姿を見据え、世界の再生医療のとぎれなき発展に貢献しうる新たな人材を育成する。
  5. 細胞培養加工における安全性確保
    細胞培養加工における安全性基準策定や加工受託制度の構築において、情報提供と積極的支援を行う。
  6. 再生医療を受ける者の権利
    再生医療を受ける者の権利と利益を守り、再生医療により最大の恩恵を受けることができるよう体制を整備する。
  7. 外部との協力連携
    わが国の再生医療の質を向上させ、さらに世界に貢献するよう、国内外の他の学会や施設・行政・産業界に働きかけ、協力連携体制を強化する。
  8. 再生医療の普遍化
    より多くの患者が再生医療の恩恵に浴するため、再生医療の普遍化への強い意志のもとに「研究」を推進するとともに、「産業化」を支援する。

以上の活動を通じて、日本再生医療学会は、世界に先駆けた革新的な再生医療研究の活性化と、より安全で効果的な治療創出と実践に邁進します。

 

 

2016年3月16日
一般社団法人日本再生医療学会
理事長 澤 芳樹
副理事長 高戸 毅
および理事一同