ご挨拶
再生医療は21世紀の新しい医療として、また難病治療の切り札として注目されている最先端の医療です。再生医療は新しい学問分野を基盤としており、その実現にあたっては幹細胞生物学、組織工学を中心に、基礎科学の広い領域と臨床医学がうまく融合することが必要です。一方で、生殖医学、移植医学、医療関連産業などとも密接に関連しており、倫理的・社会的なコンセンサスを得ることも必要です。
このような状況下日本再生医療学会は、有効な再生医療を開発することを目的とし 1)再生医療の臨床、2)幹細胞や組織工学の基礎研究、3)産業技術の開発、の三つの柱をかかげ、社会のコンセンサスを得ながらバランスよく進めてゆくことを目指して設立されました。2001年5月に発足した僅か8年程の若い学会ではございますが、会員数が3,000名を超える学会へと大きく発展いたしております。
この間の再生医療の研究と技術の進歩は目覚しく、それを取り巻く環境も大きく変化しました。年一回開かれている学術集会では、全国の研究チームからの発表のみならず、行政、産業界の人も交えて活発に討議と交流が行われており、まさに日本の最先端の医療を支え、リードする学会としての成長と広がりを持つに至っております。
今後、世界を視野に日本の再生医療を発展させていくためには、非常に早いスピードで進化していく科学に対応するための質の高い基礎医学的な研究開発を推進することはもとより、関連する法整備や知的財産などを含めた日本社会における戦略としての取り組みが重要と考えます。
このような再生医療の特殊性と時代背景をふまえ、各分野の叡智を集約し、再生医療の実現に向けその牽引役となるべく、本学会の役割は極めて高いと確信しております。是非多くの方に本学会に参加いただき、医療における責務と信念をもって、日本の豊かな再生医療の実現に向けて歩みを進めてまいりたいと思います。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
2010年1月
日本再生医療学会理事長 中内 啓光